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この記事で学ぶこと
毎月届く電気代の請求。「使い方には気をつけているのに、なかなか下がらない」と感じていませんか。
節約というとこまめに電気を消すことを思い浮かべがちですが、そもそも契約している電力会社や料金プランが、自分の暮らしに合っていないことも少なくありません。2016年に電力の小売りが全面自由化されてから、家庭でも電力会社を自由に選べるようになりました。
この記事では、電力会社を切り替えると何が変わるのか、手続きの流れ、そして切り替えで失敗しないための注意点を、ハヤト君とサメジマさんのやり取りで整理します。
登場人物紹介

ハヤト:社会人一年目。初めて一人暮らしに挑戦中。引越し先で一人暮らしベテランのサメジマと出会い、生活の知恵を色々と教わっている。

サメジマ:ハヤトと同じマンションに住む。一人暮らし歴は20年以上。一人暮らし知恵をハヤトにアドバイスしている。実は寂しがり屋で、ハヤトの世話を焼くのが密かに楽しみ。
プロローグ:真夏の請求書


サメジマさん、見てください、この電気代…。エアコンの設定温度にも気をつけていたのに、先月より3,000円も上がってるんです。

ふむ、夏場はどうしても上がるものだ。……ところでハヤト君、今どこの電力会社と、どんなプランで契約しているか、言えるかね。

えっ。……引っ越してきたときに、不動産屋さんに渡された紙のとおりに申し込んだだけで、正直よく分かっていないです。

やはりな。使い方の工夫ももちろん大事だが、契約そのものを見直すほうが効くこともある。一度見直せば、あとは何もしなくても効果が続くのが強みだ。

電力会社って、自分で選んでいいものなんですか?なんとなく、住んでいる地域で決まっているものだと思っていました。

昔はそうだったが今は違う。順を追って説明しよう。
そもそも、電力会社を切り替えると何が変わる?

2016年4月の電力小売全面自由化によって、一般の家庭でも、地域の大手電力会社以外の会社(いわゆる新電力)と契約できるようになりました。
ここで多くの人が心配するのが、「電気の質が悪くなるのでは」「停電しやすくなるのでは」という点です。結論から言うと、切り替えても電気そのものは何も変わりません。
- 電気を運ぶ電線は同じ:どの会社と契約しても、家まで電気を届けるのは地域の送配電会社です
- 停電のしやすさも同じ:新電力だから停電が増える、ということはありません。災害時の復旧も同じ扱いです
- 変わるのは「料金」と「サービス」:料金単価、基本料金の有無、ポイント、セット割などが会社ごとに違います

水道にたとえるなら、蛇口も水道管もそのままで、請求書を出す会社が変わるだけだ。水の味は変わらん。

それなら、変えても生活は何も困らないんですね。
切り替えの手続きは、思ったより簡単
手続きの流れはシンプルです。新しく契約したい会社に申し込むだけで、今の電力会社への解約連絡は、原則として新しい会社が代わりに進めてくれます。
- 今の契約内容を確認する:検針票(電気ご使用量のお知らせ)か、電力会社のWeb会員ページで確認
- 電力会社・プランを比較する:住んでいる地域と使用量で料金を試算する
- 新しい電力会社に申し込む:Webで完結することがほとんど
- 切り替え完了を待つ:切り替え日が来れば、自動的に新しい契約に変わる
申し込みのときに必要な情報
- 契約者の名義(今の契約と同じ名義にする)
- 供給地点特定番号:22桁の番号。電気を使う場所を特定するためのもの
- 今の電力会社の「お客様番号」
どれも検針票やWeb会員ページに載っています。最近は紙の検針票を廃止する会社が増えているので、見当たらなければ今の電力会社のWebページにログインして確認しましょう。
工事や立ち会いは?
基本的に大がかりな工事は不要です。スマートメーター(通信機能のある電気メーター)がまだ付いていない家では交換が必要になることがありますが、多くの場合は費用がかからず、立ち会いも不要です。

書類を集めて窓口に行く…みたいな面倒くさい話を想像していました。スマホで済むなら、すぐできそうです。
切り替える前に確認したい5つの注意点
手続きが簡単なぶん、よく確かめずに申し込んでしまいがちです。次の5点は必ず確認してください。
① 解約金・契約期間の縛りがないか
プランによっては、一定期間内に解約すると解約金がかかるものがあります。一人暮らしは転勤や引っ越しが起こりやすいので、縛りのないプランのほうが安心です。
② 「市場連動型」のプランかどうか
電気の卸売市場の価格に合わせて料金が変わるプランを市場連動型と呼びます。市場価格が安い時期はお得ですが、猛暑や寒波で市場価格が高騰すると、電気代が大きく跳ね上がることがあります。値動きに振り回されたくない人は、料金の仕組みを必ず確認しましょう。
③ 一人暮らしの使用量で試算しているか
「年間◯万円おトク」という数字は、多くの場合家族世帯などの使用量を前提にしています。一人暮らしは使用量が少ないので、削減額が小さくなることもあります。また、基本料金0円のプランは、使用量が多い月には割高になる場合もあります。必ず自分の使用量で試算するのが大切です。
④ 特典の中身と条件
キャッシュバックやポイントなどの特典は魅力的ですが、受け取りに条件があることがほとんどです。一時的な特典の大きさより、毎月の料金が下がるかどうかで判断しましょう。
⑤ そもそも自分で選べる建物か
マンションによっては、建物全体でまとめて電気を契約している(一括受電)ことがあり、その場合は個人で電力会社を変えられません。分からなければ、管理会社に確認するのが確実です。

特典の額だけで飛びつくのがいちばん危ない。私が見るのは「縛り」「料金の仕組み」「自分の使用量での試算」の3つだ。これさえ押さえれば、大きな失敗はしない。
いちばんのチャンスは「引っ越しのとき」
電力会社を選ぶのにもっとも手間がかからないタイミングは、引っ越しのときです。どのみち新居で電気の申し込みが必要になるので、そのときに最初から自分で選んでしまえば、切り替えの手続きそのものが要りません。
引っ越しの準備については第1話:引越し挨拶は必要?~一人暮らしの引越し挨拶~もあわせてどうぞ。
比較するなら「比較サイト」で試算を
電力会社は数多くあり、1社ずつ料金表を読み比べるのは現実的ではありません。そこで便利なのが、郵便番号や使用量を入れるだけで、複数の会社の料金を試算できる比較サイトです。
電気・ガスの比較サイト「エネチェンジ」
エネチェンジは、東証グロース市場に上場しているENECHANGE株式会社が運営する、電気・ガスの比較サイトです。
- 住んでいる地域と使い方から、料金を試算して、プランを比べられる
- 料金以外の情報もまとめて確認できる(解約金の有無、特典、ポイントなど)
- 申し込みまでWebで進められる。引っ越し先での新規申し込みにも使える
- 利用は無料
※試算結果・特典の内容や適用条件は、時期やプランによって変わります。申し込む前に、必ず最新の条件を画面で確認してください。一人暮らしの場合は、世帯人数や使用量を実際に近い値で入れるのがポイントです。

今の検針票の数字を入れて試算してみます。条件を見ても「縛りなし」「市場連動じゃない」かどうかを先にチェックですね。

そのとおり。比較サイトは候補を絞る道具だ。最後に決めるのは、条件を読んだ自分自身だということを忘れんように。
あわせてやりたい、使い方の見直し
契約の見直しと、日々の使い方の工夫は、どちらか一方ではなく両輪です。電気代のなかでも大きな割合を占めるエアコンの使い方や、コンセントに挿しっぱなしの家電の待機電力を見直すと、切り替えの効果をさらに高められます。
よくある質問(FAQ)
Q. 賃貸でも電力会社を変えられますか?
はい、自分の名義で電気を契約していれば、原則として大家さんの許可は不要です。ただし、建物で一括受電をしている場合は変えられません。
Q. 契約した電力会社が事業をやめたら、電気は止まりますか?
すぐに止まることはありません。事業をやめる会社からは事前に案内があり、一定の期間内に別の会社へ切り替えることになります。案内が届いたら、放置せずに早めに手続きしましょう。
Q. 切り替えにお金はかかりますか?
多くの場合、手続き自体に費用はかかりません。ただし、今の契約に解約金がある場合は、そちらがかかることがあります。申し込む前に今の契約内容を確認しておくと安心です。
Q. ガスも一緒に変えたほうがお得ですか?
電気とガスのセット割が用意されている会社もあります。ただしセットにしたほうが安くなるとは限らないので、別々に契約した場合と比べて判断しましょう。なお、プロパンガス(LPガス)の地域では、選び方が都市ガスとは異なります。
Q. どのくらいの頻度で見直せばいいですか?
一度切り替えたら終わりではなく、引っ越し・転職・在宅勤務の開始など、暮らし方が変わったときが見直しどきです。料金体系そのものが変わることもあるので、年に一度くらいは請求額を振り返ってみましょう。
まとめ:「契約を見直す」は、いちばん手間のかからない節約

試算してみたら、縛りなしのプランでも今より安くなりそうでした!これなら毎月、何もしなくても節約できますね。

うむ。電気を我慢する節約は長続きせんが、契約の見直しは一度やれば効果が続く。これが賢いやり方だ。

サメジマさん、せっかくなのでサメジマさんの家の分も試算しましょうか?

……私はとうの昔に見直し済みだ。それより浮いた電気代で、今度の夕飯はハヤト君のおごりということでどうかね。
電力会社の切り替えで押さえておきたいポイントは、次のとおりです。
- 切り替えても電気の質や停電のしやすさは変わらない
- 手続きは新しい会社に申し込むだけ。工事もほぼ不要
- 「縛り」「市場連動かどうか」「自分の使用量での試算」を必ず確認
- 引っ越しのときが、いちばん手間のかからないタイミング
毎月の電気代は、固定費のなかでも見直しやすい項目です。まずは手元の検針票を開いて、「今どこと、どんなプランで契約しているか」を確かめるところから始めてみてください。

このサイトでは、一人暮らしに役立つ知識をハヤト君と一緒に学んでいきます。次回もお楽しみに!



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